「アンガス牛、なんかまずい…」と感じたとき、原因はだいたい3つに分けられます。
1つ目は“買う段階”で外れを引いていること(鮮度や脂の状態)。
2つ目は解凍・常温戻しなどの“水分管理”で失敗していること。
3つ目は焼き方の“火入れと休ませ”が合っていないことです。
なお「まずい」の中身は人によって違って、よくあるのは 臭い/硬い/脂が重い/パサつく の4パターン。
この記事ではとくに検索が多い「臭い」「硬い」を中心に、今日からできる最短対策を先にまとめます。
そのうえで、買う前の見分け方(外れ回避)、下処理、焼き方、料理別の型まで一気に整理します。
アンガス牛はまずい?結論(まずく感じる人が多い理由)
アンガス牛が「まずい」と感じる人は確かに存在しますが、その原因はアンガス牛そのものの品質が低いからではありません。
原因の大半は「和牛の食体験を基準にしている」「部位や等級の選び方を間違えている」「調理法が赤身肉に合っていない」という3点に集約されます。
アンガス牛はスコットランド原産の世界三大肉用種のひとつで、赤身と脂のバランスに優れた品種として国際的に高い評価を受けています。
アメリカン・アンガス協会が管理するCAB(認定アンガスビーフ)は、10項目の厳しい基準をクリアした牛肉だけに与えられる称号であり、全体の約2割しか認定されません。
つまり「まずい」のではなく、「和牛とは別の美味しさを持つ肉を、和牛の尺度で評価してしまっている」ことが、不満の正体です。
まずいと感じやすいポイント(臭い・硬い・脂・パサつき)
まずいと感じやすい要素は、大きく4つに分類できます。
1つ目は「臭い」です。これは主にグラスフェッド(牧草飼育)の個体に出やすい牧草由来の風味と、輸送中のドリップによる酸化臭が原因です。
2つ目は「硬い」です。和牛と比べて筋肉内の脂肪(サシ)が少なく、筋繊維がしっかりしているため、焼きすぎると顕著に硬くなります。
3つ目は「脂が足りない」です。和牛のとろけるような脂の甘みを期待すると、赤身中心のアンガス牛は淡白に感じやすくなります。
4つ目は「パサつき」です。赤身肉は水分が飛びやすく、高温で長時間焼くと一気にジューシーさを失います。
これらはすべて、選び方と調理法で大幅に改善できるポイントです。
和牛とアンガス牛の違い(まずいと感じやすい理由の正体)
「まずい」と感じる根本的な理由は、和牛とアンガス牛の肉質構造がまったく異なることにあります。
和牛は長い肥育期間をかけて筋肉内に細かい脂肪(霜降り)を蓄積させます。
口の中で脂が溶けるあの食感は、融点の低い不飽和脂肪酸が豊富だからこそ生まれるものです。
一方、アンガス牛は赤身が主体で、脂肪は筋肉内よりも表面や層間に集中しやすいです。
噛むほどに肉の旨味が広がるタイプの美味しさであり、和牛とは評価軸そのものが異なります。
| 比較項目 | 和牛(黒毛和種) | アンガス牛 |
|---|---|---|
| 脂肪分布 | 筋肉内に細かく分散(霜降り) | 表面・層間に集中、赤身主体 |
| 食感 | とろけるような柔らかさ | 噛み応えがあり肉の旨味が強い |
| 脂の質 | 融点が低く口溶けが良い | 融点がやや高くしっかりした脂 |
| カロリー(サーロイン100gあたり目安) | 約450〜500kcal | 約200〜250kcal |
| たんぱく質(同上目安) | 約11〜13g | 約19〜22g |
| 肥育期間 | 約28〜32か月 | 約18〜22か月 |
| 価格帯(100gあたり目安) | 約800〜3,000円以上 | 約200〜600円程度 |
この表からわかるとおり、アンガス牛は低カロリー・高たんぱくで、健康志向やダイエット中の方には実はうってつけの食材です。
「まずい」のではなく「和牛とは別ジャンルの肉」と捉え直すことが、美味しく食べるための第一歩になります。
アンガス牛がまずいと感じる理由を分解する
ここからは「まずい」と感じる個別の原因を掘り下げ、それぞれの仕組みを理解していきます。
脂と水分のバランス
アンガス牛の赤身肉には、和牛ほど筋肉内の脂肪が含まれていません。
脂肪は加熱時に溶けて肉に潤いを与える役割を持つため、脂肪が少ない肉は焼き方を間違えると一気にパサつきます。
さらに、輸入肉は冷凍・解凍の過程でドリップ(肉汁)が流出しやすく、購入時点ですでに水分が減っている場合があります。
このドリップの流出は旨味成分の損失にも直結するため、パック内のドリップが多い肉は味が落ちている可能性が高いです。
脂が少ない=まずい、ではありません。脂が少ない肉には脂が少ない肉に適した火入れと下処理が必要だということです。
等級と熟成の影響
アメリカ産アンガス牛には、USDA(米国農務省)が定める格付け制度があります。
日本に輸入される等級は主にプライム、チョイス、セレクトの3段階で、等級が上がるほど脂肪交雑(サシ)が豊富になり、柔らかさや風味が増します。
| USDA等級 | 脂肪交雑の程度 | 特徴 | 主な流通先 |
|---|---|---|---|
| プライム | 豊富 | 最も柔らかく風味豊か | 高級レストラン・一部小売店 |
| チョイス | 適度 | バランスが良く汎用性が高い | スーパー・飲食チェーン |
| セレクト | 少なめ | 赤身中心であっさり | スーパー(低価格帯) |
スーパーで「安いから」と手に取ったアンガス牛がセレクト級だった場合、チョイスやプライムに比べてどうしても味や柔らかさで劣ります。
また、熟成も味を大きく左右します。
輸入肉は輸送中にウェットエイジング(真空パック内での熟成)が進みますが、家庭でも購入後にパックを開封し、網に載せて冷蔵庫で1〜2日ほど表面の水分を飛ばす簡易ドライエイジングを行うだけで、味の凝縮と肉質の軟化が期待できます。
部位の個性を理解する
アンガス牛は部位によって食感も風味もまったく異なります。
ステーキに向く部位を煮込みに使ったり、煮込み向きの部位を短時間で焼いたりすると、当然仕上がりは期待外れになってしまいます。
| 部位 | 特徴 | 食感 | 向いている調理法 |
|---|---|---|---|
| リブロース | 適度なサシがあり旨味が強い | 柔らかい | ステーキ・焼肉 |
| サーロイン | きめ細かく上品な味わい | やや柔らかい | ステーキ |
| 肩ロース | 旨味は豊富だが筋が多い | やや硬い | 薄切り炒め・すき焼き |
| ランプ | 赤身の旨味が凝縮 | 程よい歯応え | 短時間のステーキ・ローストビーフ |
| モモ | 脂肪が少なくさっぱり | 硬め | ローストビーフ・煮込み |
| バラ | 脂肪と赤身が層状に重なる | 煮込むとほろほろ | シチュー・カレー |
部位の個性を無視した調理が「まずい」の原因になっているケースは非常に多いです。
よくある勘違い
アンガス牛に対してありがちな誤解を整理しておきます。
「アンガス牛は安いから質が低い」という認識は正確ではありません。
和牛より安価な理由は、肥育期間が短く飼料コストが抑えられること、大規模な生産体制が確立されていることによるもので、品質が劣るからではありません。
「輸入肉はすべて同じ味」という思い込みも多いです。
同じアンガス牛でもアメリカ産とオーストラリア産では飼育方法が異なります。
アメリカ産はトウモロコシなどの穀物飼育(グレインフェッド)が主流で、臭みが少なく柔らかい傾向があります。
一方、オーストラリア産は牧草飼育(グラスフェッド)が多く、独特の風味が出やすいですが、ヘルシーさでは上回ります。
「グレインフェッド」と「グラスフェッド」の表示を確認するだけで、味の方向性をある程度予測できます。
アンガス牛が臭いと感じる原因と対策
アンガス牛の臭みの主な原因は、牧草飼育由来の風味、輸送・保存中のドリップの酸化、そして血液成分の残留の3つです。
グラスフェッドの肉は牧草に含まれる成分が脂肪に蓄積されやすく、加熱時に独特の香りとして感じられることがあります。
穀物飼育のアメリカ産アンガス牛であれば、この風味はかなり抑えられます。
臭みが気になる場合は、まず産地と飼育方法を確認し、グレインフェッドを選ぶことが最も手軽な対策になります。
水分と筋の処理
調理前の下処理は臭み対策の基本です。
パックから取り出したら、まずキッチンペーパーで表面のドリップをしっかり拭き取ります。
ドリップには血液成分やたんぱく質の分解物が含まれており、これが加熱時の臭みの大きな原因になります。
臭みが特に強い場合は、肉の表面に軽く塩を振って15分ほど置き、浮き出てきた水分をペーパーで拭き取るか、さっと水で流してから再度しっかり水気を取る方法が有効です。
筋膜(白い薄膜)がついている場合は、包丁の先で数か所切り込みを入れておくと、加熱時に縮みにくくなり、臭み成分も揮発しやすくなります。
下味の考え方
赤身肉の臭み消しには、酸や香味野菜を使ったマリネが効果的です。
赤ワイン、ヨーグルト、すりおろし玉ねぎなどに30分〜一晩漬け込むことで、酸がたんぱく質を穏やかにほぐし、臭みを中和しながら柔らかさも引き出してくれます。
ただしステーキの場合、漬け込みすぎると肉の表面が崩れて食感が損なわれることがあります。
ステーキ用の肉であれば、にんにくスライスやローズマリー、タイムなどのハーブと一緒にオリーブオイルで軽くマリネする程度に留めるのがよいです。
煮込み用であれば、赤ワインと香味野菜に一晩しっかり漬け込んでも問題ありません。
塩と胡椒のタイミング
塩を振るタイミングは味に大きく影響します。
基本は焼く直前に振ります。
塩を振ってから長時間放置すると、浸透圧で肉内部の水分が表面に引き出され、旨味ごと流出してしまいます。
ステーキであれば、焼く1〜2分前に肉の重量に対して約0.8〜1%の塩を全体に振り、胡椒は焼き上がり直前か食卓で振るのが望ましいです。
胡椒は高温で焦げやすく、焦げた胡椒は苦味と嫌な香りの原因になるためです。
煮込み料理の場合は、下焼きの段階で塩をして表面を固め、仕上げの段階で味を調整するという二段階のアプローチが有効です。
アンガス牛が硬いと感じる原因と対策
アンガス牛が硬く感じられる最大の原因は、脂肪の少なさと、それに合わない火入れです。
和牛は筋肉内に脂肪が細かく入り込んでいるため、多少焼きすぎても脂が潤滑剤となって柔らかさを保てます。
しかし赤身主体のアンガス牛にはそのバッファがなく、加熱しすぎると筋繊維が収縮して一気に硬くなります。
もう一つの原因は、部位の選び間違いです。
肩ロースやモモなど筋繊維がしっかりした部位を、厚切りのまま高温で一気に焼くと、硬さが際立ちます。
焼き方で「まずい」を逆転する
アンガス牛のステーキは、温度管理と休ませる工程を徹底するだけで、驚くほど仕上がりが変わります。
温度帯の管理
赤身肉のステーキで最も重要なのは、肉の中心温度を上げすぎないことです。
| 焼き加減 | 中心温度の目安 | 向いている部位 |
|---|---|---|
| レア | 約45〜50℃ | サーロイン・リブロース |
| ミディアムレア | 約52〜56℃ | サーロイン・ランプ・リブロース |
| ミディアム | 約58〜62℃ | 肩ロース・ランプ |
| ウェルダン | 約68℃以上 | 赤身肉には基本的に不向き |
アンガス牛のステーキは、ミディアムレアからミディアムの範囲が最もジューシーに仕上がります。
中心温度が65℃を超えると筋繊維の収縮が急激に進み、硬さとパサつきが顕著になります。
家庭に料理用温度計がない場合は、指で肉を押した弾力で判断する方法があります。
親指と人差し指で輪を作ったときの親指の付け根の弾力がレア、中指ならミディアムレア、薬指ならミディアムの目安になります。
レストとカット
焼き上がったステーキをすぐに切ると、肉汁が一気に流れ出てしまいます。
アルミホイルでふんわり包み、焼いた時間と同程度(目安は3〜5分)休ませることで、肉汁が内部に再分配され、切ったときに流出しにくくなります。
カットは繊維に対して垂直に、やや斜めに削ぎ切りにすると、繊維が短く断たれて口当たりが柔らかくなります。
厚さは1cm程度が食べやすいです。
家庭器具での型
特別な道具がなくても、家庭のフライパンで十分に美味しく焼けます。
ポイントは火加減の切り替えです。
厚さ2cm程度の肉の場合、強火で表面に焼き色をつけてから弱火に落として中までじっくり火を入れるのが基本となります。
フッ素樹脂加工のフライパンでも問題ありませんが、鉄のフライパンやスキレットのほうが蓄熱性が高く、均一な焼き色がつきやすいです。
牛脂やバターを使って焼くと、赤身肉に不足しがちなコクと香ばしさを補えます。
失敗しない5ステップ(チェックリスト)
- 冷蔵庫から出して20〜30分、室温に戻します(中心温度15〜18℃が目安です)
- 表面のドリップをキッチンペーパーで拭き取り、焼く直前に塩を振ります
- フライパンを強火で十分に熱し、油をひいて肉を置きます。表面に焼き色がついたら裏返します(片面約1〜1.5分)
- 弱火に落として蓋をせずにじっくり加熱します(片面約2分。肉の厚さに応じて調整します)
- 火を止めてアルミホイルに包み、3〜5分休ませてから繊維に垂直にカットします
このステップを守るだけで、スーパーで買ったアンガス牛でもレストランに近い仕上がりになります。
胡椒は食卓で振るか、ステップ5で休ませている間にかけるとよいです。
買う段階で外れを引かない
調理以前に、購入段階で質の良い肉を選べるかどうかが仕上がりを大きく左右します。
ラベルの読み方
パッケージに記載されている情報から、味の傾向をある程度予測できます。
確認すべきポイントは、産地、飼育方法、等級の3つです。
「アメリカ産」「グレインフェッド」と書かれていれば、穀物飼育で臭みが少ない傾向があります。
「オーストラリア産」の場合は、グラスフェッドかグレインフェッドかを必ず確認してください。
グラスフェッドは臭みが出やすいですが、脂肪が少なくヘルシーです。
USDA等級が記載されている場合は、チョイス以上を選ぶとステーキでも安定した満足感が得られます。
CAB(認定アンガスビーフ)やサーティファイド・アンガス・ビーフのロゴがあれば、品質基準をクリアした上位の肉です。
見た目のチェック
ラベルだけでなく、肉そのものの見た目からも鮮度と質を判断できます。
色は鮮やかな赤色が新鮮な証拠で、茶褐色に変色しているものは酸化が進んでいます。
トレイ内のドリップが多いものは、旨味が流出している可能性が高いです。
脂肪部分は白〜クリーム色が良好で、黄色みが強いものは飼料の影響や鮮度低下を示す場合があります。
赤身にうっすら脂肪の粒が見えるもの(細かいサシが入っているもの)は、等級が高い傾向にあります。
用途別の選び方
部位を用途に合わせて選ぶことが、失敗を防ぐ最大のコツです。
部位×料理の早見表(ステーキ向き/煮込み向き/炒め向き)
| 部位 | ステーキ | ローストビーフ | 煮込み(カレー・シチュー) | 炒め物・すき焼き | 焼肉 |
|---|---|---|---|---|---|
| サーロイン | ◎ | ○ | △ | △ | ○ |
| リブロース | ◎ | ○ | △ | ○ | ◎ |
| 肩ロース | △ | ○ | ○ | ◎(薄切り) | ○ |
| ランプ | ○ | ◎ | △ | ○ | ○ |
| モモ | △ | ◎ | ○ | ○ | △ |
| バラ | × | × | ◎ | △ | ○ |
| スネ | × | × | ◎ | × | × |
◎=最適、○=向いている、△=工夫次第、×=不向き
この表を購入前に頭に入れておくだけで、用途と部位のミスマッチによる失敗はほぼなくなります。
解凍と常温戻し
冷凍のアンガス牛を美味しく食べるには、解凍方法が極めて重要です。
最も推奨されるのは冷蔵庫での低温解凍で、使う前日の夜に冷凍庫から冷蔵庫へ移しておきます。
8〜12時間かけてゆっくり解凍することで、ドリップの流出を最小限に抑えられます。
電子レンジの解凍モードは緊急時には使えますが、加熱ムラが生じやすく、一部が煮えてしまうリスクがあります。
流水解凍は時間がないときの次善策です。密封したままのパックを流水に当てて30分〜1時間程度で解凍できますが、やはり冷蔵庫解凍には劣ります。
解凍後は必ずキッチンペーパーでドリップを拭き取ってください。
焼く前の常温戻しも重要なステップです。
冷蔵庫から出して20〜30分ほど室温に置き、肉の中心温度を15〜18℃程度まで上げてから焼き始めます。
冷たいまま焼くと中心に火が通る前に表面が焼けすぎてしまい、硬さとパサつきの原因になります。
料理別の最適解を用意する
アンガス牛はステーキだけの肉ではありません。
部位と調理法を正しく組み合わせれば、煮込みでも炒め物でも十分に美味しく仕上がります。
ステーキの型
サーロインまたはリブロースの厚さ2cm以上の肉を使います。
焼く30分前に冷蔵庫から出して常温に戻し、焼く直前に塩を振ります。
強火で両面に焼き色をつけてから弱火で仕上げ、アルミホイルで3〜5分休ませます。
仕上げにバターをひとかけ落とすと、赤身肉に不足するコクが加わります。
ソースはフライパンに残った肉汁に赤ワインと醤油、バターを合わせた簡単なパンソースが相性抜群です。
おろし玉ねぎを加えたソースも、酸味と甘みで赤身肉の風味を引き立てます。
煮込みの型
バラ、スネ、肩ロースのブロック肉を使います。
大きめの角切り(3〜4cm角)にし、表面に塩胡椒をして強火で全面に焼き色をつけます。
この焼き色がメイラード反応による香ばしさと旨味のもとになります。
焼き色をつけた肉を赤ワインや水と一緒に鍋に入れ、弱火で1.5〜2時間じっくり煮込みます。
圧力鍋を使えば40〜50分で同様の仕上がりになります。
赤身肉は長時間煮込むことでコラーゲンがゼラチン化し、ほろほろと崩れる柔らかさに変わります。
カレーやビーフシチュー、ボルシチなどに最適です。
炒めの型
肩ロースやモモの薄切り肉を使います。
薄切り肉は火の通りが早いため、強火で短時間にさっと仕上げるのがポイントです。
下味として醤油・酒・片栗粉を軽く揉み込んでおくと、肉の表面がコーティングされて水分が逃げにくくなり、しっとりと仕上がります。
野菜と一緒に炒める場合は、肉を先に炒めていったん取り出し、野菜に火を通してから肉を戻すと、肉に火が入りすぎるのを防げます。
すき焼きやプルコギなど甘辛い味付けとの相性がよく、アンガス牛の赤身の旨味がタレの味を引き立てます。
よくある質問(Q&A)
Q. アンガス牛は本当にまずいですか?
A. アンガス牛は世界三大肉用種に数えられる高品質な牛肉であり、「まずい」というのは正確ではありません。
和牛の霜降りの食感を基準にすると物足りなく感じることはありますが、それは味の方向性が異なるためです。
等級の高いものを選び、部位に合った調理法で仕上げれば、噛むほどに広がる赤身の旨味をしっかり楽しめます。
穀物飼育のアメリカ産でチョイス以上の等級を選ぶのが、初めての方にはおすすめです。
Q. アンガス牛が臭いときはどうすればいいですか?
A. まずパックから出した時点で、表面のドリップをキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。
それでも気になる場合は、肉に薄く塩を振って15分ほど置き、出てきた水分を拭き取るか、軽く水で洗い流します。その後、再度しっかり水気を取ってください。
にんにく、ローズマリー、赤ワインなどと一緒にマリネするのも効果的です。
そもそもグラスフェッド(牧草飼育)の肉は風味が強い傾向があるため、臭みに敏感な方はグレインフェッド(穀物飼育)のものを選ぶとよいです。
Q. アンガス牛が硬いときはどうすればいいですか?
A. まず焼きすぎを疑ってください。
赤身肉は中心温度65℃を超えると急激に硬くなります。
ミディアムレア(中心温度52〜56℃)を目標にし、焼き上がり後にアルミホイルで3〜5分休ませます。
それでも硬さが気になる場合は、部位を見直してください。
モモや肩など筋繊維がしっかりした部位はステーキには不向きなことが多く、薄切りにして炒め物にするか、煮込み料理に切り替えるとよいです。
物理的に柔らかくしたい場合は、フォークで両面に穴を開けて繊維を断つ方法や、すりおろし玉ねぎやキウイに漬け込んでたんぱく質を分解する方法も有効です。
Q. ミスジステーキがまずいと感じたときの対策
アンガス牛をおいしく食べるための要点を要約する
アンガス牛がまずいと感じる原因の大半は、肉そのものの品質ではなく、選び方と調理法のミスマッチにあります。
押さえるべきポイントは以下のとおりです。
- 和牛とは別ジャンルの肉として捉え、赤身の旨味を楽しむ意識に切り替えます
- 購入時は産地(アメリカ産グレインフェッド推奨)と等級(チョイス以上)を確認します
- ドリップが少なく、鮮やかな赤色の肉を選びます
- 部位と調理法を正しく組み合わせます(ステーキにはサーロインやリブロース、煮込みにはバラやスネが向きます)
- 冷凍肉は冷蔵庫で低温解凍し、焼く前に20〜30分の常温戻しを行います
- 表面のドリップを拭き取り、焼く直前に塩、胡椒は仕上げに振ります
- 焼きすぎません(ミディアムレアが目安で、中心温度52〜56℃です)
- 焼き上がり後にアルミホイルで3〜5分休ませてからカットします
これらを実践するだけで、アンガス牛の印象は大きく変わるはずです。
和牛の半額以下で手に入る高たんぱく・低カロリーの良質な赤身肉を、正しい知識で最大限に活かしていきましょう。

