「リブロースとサーロイン、どちらが脂身少なめで食べやすいのか迷っていませんか?」
結論から言うとサーロインが脂身は少ない傾向にありますが、この記事では部位ごとの脂の入り方・食感・カロリーの違いから、スーパーでの選び方まで徹底解説します。
リブロースとサーロイン、脂身が少ないのはどっち?
サーロインの方が、脂身は少ない傾向にあります。
リブロースは筋肉の繊維の内側にサシ(霜降り)が入り込んでいるため、取り除くことがほぼできません。
一方サーロインの脂は外側の「脂のキャップ」に集中しており、調理前にカットして除去できる点が大きく異なります。
ただし、和牛同士で比べると数値上の脂質差は大きくなく、脂の「位置」と「扱いやすさ」の違いの方が実用的な差として現れます。
結論:サーロインが脂身少なめといえる理由
リブロースとサーロインを100gあたりで比べると、以下のような差があります。
| 部位 | カロリー(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
|---|---|---|
| 和牛リブロース(脂身つき) | 約470kcal | 約40g |
| 和牛サーロイン(脂身つき) | 約460kcal | 約39g |
| 輸入牛リブロース(脂身つき) | 約310kcal | 約23g |
| 輸入牛サーロイン(脂身つき) | 約290kcal | 約21g |
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとにした概算値です。
和牛同士では数値の差はわずかですが、輸入牛ではサーロインの方がやや低い水準になります。
脂質の量以上に重要なのは、サーロインの外脂はトリミングで取り除ける点で、リブロースのサシは物理的に取り除けないという実用上の違いです。
「サシ」と「脂身」は別物?混同しがちな基礎知識
牛肉の「脂」には、大きく分けて2種類あります。
サシ(霜降り)は、筋肉組織の内側に網目状に入り込んだ筋間脂肪のことです。
リブロースに多く見られ、加熱すると溶けて肉全体にジューシーさをもたらします。
脂身は、筋肉組織の外側についた皮下脂肪や塊状の脂肪のことです。
白くはっきりと見える部分で、好みに応じてカットして取り除くことができます。
| 脂の種類 | 位置 | 取り除けるか | 多い部位 |
|---|---|---|---|
| サシ(霜降り) | 筋肉繊維の内側 | ほぼ不可 | リブロース |
| 脂身(外脂) | 筋肉の外表面 | 包丁でトリミング可 | サーロイン |
「脂身が少ない」という観点では、外側の脂を取り除けるかどうかが、選ぶ際の重要な判断基準になります。
部位の位置で見るリブロースとサーロインの根本的な違い
| 項目 | リブロース | サーロイン |
|---|---|---|
| 牛体上の位置 | 背中の中央(第6〜第12肋骨付近) | リブロースの後方(腰椎周辺) |
| 主な筋肉 | 最長筋(胸部) | 最長筋(腰部) |
| サシの入り方 | 全体的に多い | リブロースよりやや少なめ |
| 外脂の特徴 | 少ない | 外表面に厚めの脂のキャップあり |
| 肉質 | 柔らかくジューシー | 適度な弾力と赤身の旨味 |
リブロースは肋骨に沿った筋肉で、牛が日常的にほとんど動かさないため、サシが蓄積しやすい構造になっています。
サーロインも運動量は少ない部位ですが、リブロースほどサシは入らず、代わりに外側に厚めの脂のキャップが付くのが特徴です。
カロリーで比べるとどのくらい差がある?
和牛か輸入牛かによって、部位間の差より産地間の差の方が大きくなる場合があります。
| 部位・産地 | カロリー(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
|---|---|---|
| 和牛リブロース(脂身つき) | 約470kcal | 約40g |
| 和牛サーロイン(脂身つき) | 約460kcal | 約39g |
| 輸入牛リブロース(脂身つき) | 約310kcal | 約23g |
| 輸入牛サーロイン(脂身つき) | 約290kcal | 約21g |
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとにした概算値です。
カロリーを本気で抑えたい場合、和牛からどの部位を選ぶかよりも、輸入牛に切り替える方が効果が出やすいです。
同じサーロインでも、和牛と輸入牛では100gあたり約170kcalの差があります。
脂身の少なさで選ぶなら、どんな人にどちらが向いている?
| 求めるもの | おすすめの選択 |
|---|---|
| 脂っこさを抑えながら柔らかさも欲しい | サーロイン(外脂をトリミング) |
| 霜降りの濃厚な旨味を楽しみたい | リブロース |
| カロリーを大幅に抑えたい | ヒレ・ランプ・もも(後述) |
| コスパよく赤身を楽しみたい | 輸入牛サーロイン |
サーロインは外側の脂身をトリミングすることで、脂の摂取量を自分でコントロールできます。
リブロースはサシが肉全体に分散しているため取り除くことが難しく、脂質を控えたい場面には不向きです。
なぜリブロースは脂身が多くなるのか?部位の構造で理解する
リブロースに脂が多い理由は、「筋肉の使われ方」と「部位が持つ解剖学的な構造」にあります。
リブロースに霜降りが入りやすい解剖学的な理由
リブロースは、牛の背中を走る最長筋のうち、肋骨に囲まれた部分に相当します。
この筋肉は牛が立ったり歩いたりする際にほとんど使われないため、筋肉繊維が細かく、脂肪が筋繊維の間に蓄積しやすい構造になっています。
運動量が少ない筋肉ほど筋間脂肪は増える傾向があり、和牛の肥育においてもこの特性を踏まえた飼育管理が行われています。
また、肋骨が筋肉を外側から支える構造上、脂肪が内部に留まりやすくなっています。
日本の和牛ブランドが「霜降り度合い」を示すBMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)でリブロースを評価の基準部位として使うのも、この部位がサシの入りやすさを最もよく反映しているからです。
サーロインの脂が「外脂(がいし)」中心になるメカニズム
サーロインはリブロースの後方、腰椎に沿った最長筋の腰部にあたります。
この部位も運動量は少ないですが、リブロースと比べて筋肉繊維がやや密な構造をしており、筋間への脂肪の入り込みは控えめです。
代わりに、筋肉の外表面に皮下脂肪が集中しやすい傾向があります。
これがサーロインに特徴的な「脂のキャップ(外脂)」として表れます。
外脂は調理前にナイフやキッチンバサミでカットして除去できるため、脂の摂取量を自分でコントロールしやすいという実用的な利点があります。
脂の量だけでなく「脂の質」も部位によって異なる
牛肉の脂肪は、豚や鶏と比べて不飽和脂肪酸の比率が高い特性を持っています。
特に和牛の脂にはオレイン酸が多く含まれており、口溶けの良さはこの成分によるものです。
| 比較項目 | リブロースのサシ | サーロインの外脂 |
|---|---|---|
| 位置 | 筋肉繊維の内側 | 筋肉の外表面 |
| 取り除けるか | ほぼ不可 | 包丁でトリミング可能 |
| 加熱時の変化 | 溶けて肉全体に広がる | 外側に残るか一部が溶ける |
| 口当たりへの影響 | 全体的にジューシーになる | 断面部分にコクが出る |
| 脂質コントロール | 困難 | 事前に調整できる |
脂質摂取量を管理したい場面では、サーロインの外脂がトリミングできるという点が、リブロースとの最も実用的な差になります。
脂身を抑えながら美味しく食べるための調理・購入のコツ
部位を変えなくても、選び方と調理の工夫で脂身をかなりコントロールできます。
スーパーで脂身の少ないカットを見分ける3つのポイント
- 表面の白い部分(外脂)が薄いものを選ぶ
外脂の厚みは商品によって大きく異なります。同じサーロインでも、表面の白い脂の層が薄いものを選ぶだけで、脂質の摂取量を自然と抑えられます。 - 赤身の面積が大きく見えるものを選ぶ
パッケージ越しに確認できる赤の面積が大きいものほど、脂身の比率は低くなります。リブロースのサシは細かく全体に入っているため、見た目がきれいでも脂質を多く含む場合があります。 - カット部位の表示を確認する
スーパーの表示で「赤身」と記載されているカットは、脂質の少ない部位から取られていることが多いです。「リブロース」「サーロイン」と表記されているものは、同じ言葉でも商品によって脂身の量に差があるため、実物の見た目で判断するのが確実です。
焼き方・切り方で脂を落とすテクニック
調理前のトリミングとして、外脂は焼く前にキッチンバサミや包丁で切り落とします。
サーロインの外側の脂は5〜10mm程度あることも多く、これだけで1切れあたり数g〜10g以上の脂質を除去できます。
グリルや網焼きを使う場合は、フライパンよりも溶け出した脂が肉から離れやすく、脂質の摂取を抑えやすくなります。
また、サーロインを調理する際は「立て焼き」という方法があります。
外脂の面をフライパンに当てて最初に加熱し、脂を一部溶かし落としてから全体を焼くことで、脂の量を事前に調整できます。
リブロース・サーロインそれぞれに合ったおすすめ調理法
| 部位 | おすすめ調理法 | 理由 |
|---|---|---|
| リブロース | しゃぶしゃぶ・網焼き・すき焼き | サシが多いため、余分な脂を調理中に落としながら食べられる方法が向いている |
| サーロイン | ステーキ・ソテー | 外脂をトリミングしてから焼くと、赤身の旨味とほどよいコクのバランスが出せる |
しゃぶしゃぶはリブロースの脂をお湯の中に溶かしながら食べられるため、ロース系の中では脂質摂取量をコントロールしやすい調理法です。
サーロインはステーキにする際に外脂を切り落とすことで、赤身の旨味を活かしつつ脂を大幅に減らすことができます。
リブロース・サーロイン以外で脂身が少ない牛肉部位の選択肢
脂身の少なさをさらに重視するなら、リブロースやサーロイン以外の部位も積極的な選択肢になります。
ヒレ:脂身が最も少なく柔らかい、ダイエット向きの最上級部位
ヒレは牛の腰椎の内側に位置する筋肉で、牛がほぼ動かさない部位のため筋繊維が非常に細かく、牛肉の中で最も柔らかい部位とされています。
| 部位 | カロリー(100gあたり) | 脂質(100gあたり) | タンパク質(100gあたり) |
|---|---|---|---|
| 和牛ヒレ(赤肉) | 約210kcal | 約12g | 約19g |
| 和牛サーロイン(脂身つき) | 約460kcal | 約39g | 約15g |
| 和牛リブロース(脂身つき) | 約470kcal | 約40g | 約14g |
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとにした概算値です。
脂質はサーロインの約3分の1以下で、カロリーも半分以下です。
タンパク質はリブロース・サーロインより多く、筋肉量を維持しながら脂質を抑えたい場面には理想的な選択です。
フィレステーキやビーフシチューの具材として使うと、脂身を気にせずに牛肉の旨味を十分に楽しめます。
価格は高めですが、少量でも満足感を得やすいため、トータルのコストで考えると差が縮まる場合もあります。
ランプ:あっさり食べたい人に注目の赤身部位
ランプは牛の臀部にある部位で、もも肉とサーロインの間に位置します。
赤身の旨味が豊富で、適度な歯応えがあります。
100gあたりの脂質は和牛で約28〜30g程度と、サーロインよりも10g前後低い水準です。
赤身の中では比較的柔らかい部類に入り、薄切りにしてローストビーフに仕上げる調理法が特に向いています。
ステーキとして食べる場合も、ヒレよりも手頃な価格で赤身の旨味を楽しめる部位です。
もも肉:コスパよく脂を抑えたい日常使いの選択肢
もも肉は牛の後脚の筋肉群で、内もも・外もも・しんたまなど複数の部位に分かれます。
| 種類 | 脂身の少なさ | 食感の特徴 | おすすめの調理法 |
|---|---|---|---|
| 内もも | 少ない | 柔らかめ、癖のない味 | しゃぶしゃぶ・薄切り炒め |
| 外もも | 少ない | やや硬め、噛み応えあり | 煮込み・薄切り焼肉 |
| しんたま | やや少ない | もも肉の中では比較的柔らか | ローストビーフ・ステーキ |
もも肉全体のカロリーは100gあたり230〜260kcal程度(和牛、脂身つき)で、リブロースやサーロインと比べて大幅に低い水準です。
価格もリブロース・サーロインと比べて手頃なため、日常的に脂を抑えた牛肉を食べたい人には最も使いやすい部位です。
リブロースとサーロイン、脂身の少なさで賢く使い分けるための判断基準
脂身を抑えたいときはサーロインを選び、外脂をトリミングした上でステーキやグリルで食べるのが、最も実行しやすく効果的な方法です。
さらに脂質・カロリーを抑えるなら、ヒレ・ランプ・もも肉が選択肢の上位に入ります。
一方、リブロースのサシが醸し出すジューシーさと風味は他の部位では再現できないため、「どちらが美味しいか」ではなく「今自分が何を求めているか」で選ぶことが、牛肉をより賢く楽しむための判断基準になります。
部位の特性を知った上で選ぶ一枚は、同じ価格でも満足度がまるで変わります。
今日の買い物から、ぜひ部位の違いを意識してみてください。


